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2009年6月アーカイブ

ダイカスト製品※は砂型で作られる鋳物に比べ、焼付塗装の際、巣穴(ピンホール)によるフクレは当社の経験ではそう多くは出ません。
5月18日のお知らせで紹介したピンホールによるフクレはまれに起こる例です。
ご紹介する内容は、当社の協力会社である大東塗装さんが磁器、鋳物の巣穴対策した塗装事例です。たまたま、同じ時期にブログで取り上げていましたので、参考になればと思いお知らせしました。
こちらがそのブログです。

※die castingから。「ダイキャスト」ともいう。金属製の精密な鋳型の中に、溶かした合金に圧力をかけて流し込み鋳造する方法。普通鋳物より寸法精度が高く、大量生産ができる。

今回は、化成皮膜処理について説明したいと思います。
生成する皮膜は用途により、さまざまな種類がありますが、当社は塗装下地処理の一貫として行っています。
当然のことながら、防錆効果、塗料との付着性向上が処理の目的になります。
先ずは、専門書から引用し、化成皮膜処理について記述します。

「化成皮膜処理とは、金属表面を化学的に処理して、その表面に不溶性化合物の被覆を生成させる方法である。JIS規格では、化学的または電気化学的な処理によって金属表面に安定な化合物を生成させることであり、リン酸塩処理、黒染め処理、クロメート処理などがあると規定されている。また、一般に化成被膜処理方法は金属表面に適度に抑制した腐食反応を営ませ、その腐食生成物を被覆に利用する構造に基づいている。すなわち、化成被膜処理とは、ある金属をある腐食液のある条件下で化学反応させ、濃度分極、陰陽分極などによって、その金属の表面に固着性のある難溶性腐食生成物をつくることである。そして、得られた皮膜が、いかに水、その他腐蝕環境から下地の金属を保護するか、また、劣化を防ぎうるかなどが、その皮膜の塗装下地としての価値判断の基準となるわけである。したがって、塗装下地としての化成皮膜には次のような特性が要求される。
1 腐食性の雰囲気から素地金属を保護する力が強いこと。
2 素地金属との付着力が強いこと。
3 塗膜への付着力が強いこと。
4 塗装焼付温度程度の耐熱性を有すること。
・・・・後略・・・・・・・」

塗装下地用として、皮膜に対しどんな特性が求められるかについて4つ上げています。
処理方法としては、一般的にはスプレー、ディッピングの二通りがあり、当社は後者の方法を取っています。スプレーは吊るして行いますが、設置スペースが大きくなります。限られたスペースと多品種の扱いを考慮してディッピング方法になりました。

工程としては
1  予備脱脂
2  本脱脂
3  水洗
4  水洗
5  中和エッチング
6  水洗
7  化成皮膜処理(1)
8  化成皮膜処理(2)
9  予備槽
10 化成皮膜処理(3)
11 水洗
12 純水水洗(この工程は、5/30に水洗から純水水洗と改造しました。)
13 純水水洗
14 水切り乾燥
の順序で構成されています。
次に、
塗装下地用以外、用途別にどんな化成皮膜処理剤が使われ化成皮膜が生成されているか記述します。
 塑性加工用化成処理剤
「塑性加工用化成処理剤による処理は、リン酸塩被膜の最も新しい使用面での一つであり、リン酸塩被膜の可塑性を利用した着目すべき傾向である。すなわち、これ皮膜自体の潤滑的能力と鋼管、銅線などの冷牽(れいけん)加工作業時における他の潤滑剤の保持能力とを利用する方法。・・・・・・略・・・ 」
簡潔にいえば、変形加工する際、加工しやすくするために使用される物なのでしょう。
加工例として、伸線、伸管、押し出し、深絞り、など種々の冷間加工に使用されている。
塗装下地にはリン酸鉄、リン酸亜鉛が使われる。
他は詳細を省き、列挙します。
防錆用化成処理剤
耐磨耗用化成処理剤
絶縁用化成処理剤
プラスチック・ラミネート用化成処理剤
などがあります。

「今日の工業的リン酸塩処理の基礎技術は、1906年T,W,Coslettによってもたらされ、日本では昭和3年(1928年)ころ、よりリン酸塩処理の企業化がなされ、当時は兵器の防食処理が主たる用途であった。・・・・・」
表面技術便覧より

当社は、塗装下地用に用いているので、上記のものについてはあまり馴染みがありません。
しかしここ数年、塗装はせず金属防錆だけを依頼される仕事が増えてきました。主にMgダイカスト製品です。
ノンクロムタイプでリン酸マンガン系の処理剤で行なっています。
他に取引先が、顧客の要請により塗装下地用に黒染めをした亜鉛ダイカストの塗装もあります。
黒染めは表面技術便覧よれば、次のように説明しています。

「黒色酸化処理:1915年鉄製品を濃厚アルカリ水溶液に浸漬して、沸点に加熱して黒色着色(黒染め)することが、独のB,グエリエによって発明された。黒色酸化法には、このアルカリ酸化皮膜法のほか、溶融塩酸化皮膜もある。・・・・・
・・・中略・・・アルカリ酸化皮膜法は当初銃身、剣鞘の防錆のため、ドイツより導入され日本陸軍の造兵厰で実施され始めた。この被膜は地金に密着し、耐熱、耐磨耗、耐食性もあり、摺動部品などに利用される。・・・・・」

クロメート(6価)処理に触れたいと思います。この処理は亜鉛、アルミ、鉄、ステンレスに利用されていましたが、6価クロムを使用するので、環境、公害問題などから使われなくなりました。それに代わって普及し始めたのが3価クロムのクロメート処理です。
しかし、3価クロムは経時により6価クロムが検出されるが、許容濃度が※RHOSなどの規定にも超えないため使われるようになった様です。公害、環境を考慮したノンクロムタイプのものより防錆力が優れていたことが普及に拍車をかけたのでしょう。ここ5,6年前からだと思います。
(※RHOS指令とは、欧州で発令された規則で「電気・電子部品に含まれる特定有害物質の使用制限」の事を言います。)

実際、ここ数年当社でも、化成処理は3価と指定してくるケースが増えています。
塗装仕様においては、以前お知らせで発表しましたが、1000時間連続塩水噴霧では3価クロメートより、塗膜性能は防錆に関してよいのですが、防錆に関し皮膜単体で用いる場合、ノンクロムタイプは比べると劣る面があります。
でも、当社は長年ノンクロムタイプの化成被膜処理をしていますが、なんら支障はありません。
しかし、製品の用途を加味して、付着性、防錆のバランスを計った結果、3価クロメートを選定するのでしょう。
現在は、要請に応え、外注して行っています。
※ 付記
3価は経時で6価が出てくる事を考慮して、ノンクロムタイプを選ぶ取引先もあります。

以前は、塗装仕様は当社で決めるケースがほとんどでしたが、近年、発注側で決めるケースが増えています。その変化については、このブログ「色見本限度後日談」で触れています。


付着性に関しては、当社がおこなうノンクロムタイプの皮膜のほうが勝っているようです。
HPの「お知らせ」でご確認ください。
どちらにしろ、錆の発生は完成品となった後は市場クレームになりかねません。

古来より、錆が出ないように金属に関しては工夫がされていましたが、和釘の錆び止めに漆が使われたようです。
先人の知恵を紹介します。
随想 さびの話 第62話より、
「昭和39年9月6日の読売新聞の朝刊に、写真家の土門拳氏京都の東寺観智院客殿の簀子縁(すのこえん)の和釘のことが書かれている。・・・・・・・
・・・中略・・・300年の風雪に、簀子縁のヒノキの縁板もやせて、クギの頭が出ているが、その上を歩いても不思議と足が痛くない。これ一本一本、手つくりの和クギのよさであり、情があると、土門氏は言われる。そのクギのあたまを見ると、一本一本、さび止めの漆が塗ってある。・・・中略・・・・・加熱して出した酸化物の黒いさび色を漆で止めてあるので、さび止めという方がよいかもしれないが、これこそが、古くからの日本おける漆塗りによる鉄の防錆技術なのである。
炭火にかざして、黒色酸化物層をつくらせて赤さびを防ぐ、いわゆる焼き止めをしてから、漆を塗る。鉄びん、茶釜、燈籠、甲冑、の鉄の防錆はこうして行われた。・・・・」

前のブログで「塗料の乾燥」でも触れましたが、東寺観智院客殿のヒノキの縁板に打ち込まれた和クギに漆が塗られ、300年以上経ってももっているのが凄いと思います。
現在は、錆びない金属ステンレスがありますが、これからも、金属製品には防錆が必要なこととして変わらないことでしょう。

参考資料「金属の化成処理」間宮富士夫著 出版 理工出版社
   「表面技術便覧」(社)表面処理技術協会 編 発行社 日刊工業新聞社
   「随想 さびの話」山本洋一 著 出版 理工出版社

塗装実績を更新しました。

今回の製品も前回同様船舶関連の器材ですが、同様に防錆強化のため下地に※リン酸亜鉛皮膜を施し、且つ下塗りと上塗りの重ね塗りをしています。
どうして、塗り重ねると防錆力が高まるのか、当社で保有している技術資料から引用しその構造を説明します。
図1
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図1では、大気が塗膜に浸透していく様子が描かれています。
資料の説明によると、
「塗膜は完全乾燥後、日時の経過につれて徐々にではあるが、老化崩壊して行くものであり、目に見えない表面のピンホール、割れその他の弱点から空気、湿気その他の腐食性物質が侵入し、素地に達すると素地が腐食される。」
図1に示す「ピンホールは恐らくは塗膜の乾燥工程において揮発する溶剤や希釈剤の通過した跡や顔料や被塗物表面に吸着していたガス体が飛び出した跡がピンホールになったと考えられる。」とありました。

図2
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図2では4回塗りの事例ですが、ピンホールを封孔するために重ね塗りをして、浸透を防ぎ防錆力が高まる様子を説明しています。
今回、紹介した塗装実績は同じ理屈で、防錆効果を高めている訳です。
塗装実績の製品の塗膜の厚さは50μ~60μあります。

※ リン酸亜鉛皮膜 
鉄鋼用塗装下地処理として用いられ、皮膜としてZn3(PO4)2・4H2Oを生成する。
皮膜の色は灰色~灰黒色
 参考資料 「塗装・塗膜クレーム 発生原因とその対策 総合技術資料集」
     企画 塗装クレーム対策研究会 出版 経営開発センター出版部

◆お問い合わせ先電話:049-266-5800
 受付時間:10:00-17:00(日・祝日を除く)
お問い合わせフォームはこちら
◆担当:上野

錆により、塗装トラブルが発生した事例をご紹介します。
被塗物は、鉄鋼製、厚さ1cmほど、直径20cmのフランジです。
5月塗装実績でも説明したとおり、下地にリン酸亜鉛皮膜を施し塗装します。
塗装し納品後3ヶ月ほど経ってから、取引先よりクレームが寄せられました。
見ると、錆が起きていたのです。それが下の写真です。
拡大写真1
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錆の現象は、糸さび われサビと区別しているようです。
糸さびは塗膜の下で、ランダムの方向に発達した糸状のふくれ、われサビは金属面に出るさびと分別している。
このケースは糸さびとさびのあった箇所から、塗膜を貫通している状態。
このような例があったので次回注文があった時、素材を観察した所、赤錆が認められました。
拡大写真2
2-small.JPG

目視では見つかりづらい大きさで、見逃したのです。
取引先にこの写真を見てもらい、保管に留意するようお願いしました。
それ以降、このトラブルは無くなりました。

ある日曜日、近所の大手スーパー店へ買い物に出かけ、ブラブラと歩いていると、エレベータの脇に箒が陳列されていました。その側で箒造りの実演を行っているので、珍しさもあり足を止め見物することにしました。
写真1
陳列の様子
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竹みたいな材料なので、職人さんに質問した所、箒草でトウモロコシの仲間の植物と説明を受けました。見始めた時は、箒草の先端にある細長い枝の房の部分を茎に当たる5,6本の筒を束ねてエナメル線を使って編んでいました。
編み方はスソ編みと説明を受けました。
それを10本ほど編み終わると、1m2,30cmの竹の柄の先に十字に細い竹が付けられている物をもって、先程、編んでいた箒草の房を取り付ける作業に入りました。十字に取り付けられた竹にその房を通して、束ね始めたのです。この時、何のための作業か知りました。この作業で掃く部分を作るのだと。
写真2
両手で持っているものが、竹の柄、房を串刺しに細い竹に通してある
200905241143000.jpg

結構、長い時間をかけて箒一本が作られているので、質問したのです。
こんなに手間をかけるのでは、日本では採算が合わないでしょうと。
答えが返って、今では箒造りの技術を海外で教えて海外生産しているとの事。
東南アジアのインドネシア、マレーシア、タイなどで作られていると。
箒草は熱い所で、育つので材料も向こうで作られると言いました。
中国なども、竹が生育しやすい所なので、中国でも作られるようになったとも説明を受けました。
エナメル線で束ねる作業の時、エナメル線を巻いてある板に足をあて支えにし、束ねた部分を紐で巻き上体をそらして強く引きながら増し締めをしていたので、結構体力を使いますねと話すと、職人さんは「年もとって若い頃より作れなくなった」と話していました。
写真3
房を通し終わったところ
200905241159000.jpg

見物している時間から、推察しても1日に7,8本作るのがやっとと思われます。
使う道具は、小刀、木槌、叩き台(木を裁断したもの)、千枚通しの芯が太いものがありました。
写真4
叩き台、写真左がエナメル線を巻いた板
200905241206000.jpg

職人さんに現況を伺うと、「この地域では私だけ一軒だけになりました」と答えが返ってきました。
昔は、どれほどあったのですかと質問したら、「昭和30年代頃、100軒ほどあったとの事」。
今日、掃除機の普及も影響しているので、どんな所に売れるのと聞くと、学校で使われていると言いました。
陳列されていた箒は、インドネシア産と説明を受けました。
竹の籠なども、今は海外で作っていると話していました。
雑貨品など、手間のかかる製品は確かに、外国産のものばかりになっています。
それだけに限りませんが。
写真3で行っている作業が終わると、ニューム線(アルミニュームで出来た針金)を取り出ししっかりと柄に取り付けるため、それを巻きました。そしてニューム線を巻き終わると、止めのため穴を開けてニューム線の端を直角に曲げて、それを穴に差し込みました。
その時、小さな楔を同じ穴に入れて、木槌で打ち込み固定しました。その楔は、竹に十字に取り付けられていた竹の余った部分を利用していました。
材料を無駄にしないことに感心しました。

わたしが小さい頃、身近に手仕事をする店、工場、行商などがありました。靴屋さんは、修理、靴の誂えを主にしていたのではないでしょうか。町工場は製本印刷関連が多くあり、近所の家々で製本のための「折(へらを使って紙を折る)」の内職をしていました。また、紙を裁断する刃を研ぐ研ぎ屋、小さい時の記憶ですが、金型に粉(材料が何だったのか不明)を入れ、熱を加えてお椀を成型する町工場もあったと思います。他に桶屋さん、道端、軒先で、こうもり傘の修理、鍋釜の修理、包丁研ぎ、と町に手仕事を見る機会がたくさんありました。子供の頃それをみているのは結構面白かったです。煙管の掃除をする羅宇屋(らうや)も見かけました。リヤカーに道具をそろえた箱を乗せ、蒸気でピーと笛を鳴らしながら※それを引いて商売していました。当時は、煙管でタバコを吸う人がいたのでその商売が成り立ったのでしょう。今ではこのような手仕事はほとんど見かけなくなっています。昔は、街中にいろいろな店、工場が身近にありました。靴の修理屋さんは、形態を変え修理専門のチェーン店が出てきていますが。
※ (小型のボイラーから出る蒸気で羅宇(筒にあたる部分)を掃除し、その際に鳴る「ピー」という笛にも似た音が特徴的であった、と調べたらありました、この部分の記述は私の記憶違いかもしれませんが)
私と同世代の人達は、場所の違いこそあれ目にしている光景だと思います。

今、日本では、この箒の手造りする職人さんが少なくなっていますが、大量生産、新しい素材の現出、消費社会への変貌により、さまざまな、手仕事する職人さんも減ってきているのだと思います。台所を見ても、籠などはプラスチック製に変わっています。風呂場の桶はプラスチック製。

職人さんの働き場が時代の変遷とともに、少なくなってきていますが、状況は変化しても、産業社会に熟練した技能は、必要なことには変わりません。
前回のブログでも触れましたが、卓越した熟練工の養成は不可欠です。現状で産業界が必要とする技能、技術の見直しをして、将来的展望に立つ方針を樹立しないといけないと思います。
やはり、時代に流されてはいけない面があります。

以前ブログで引用した本に「失われた手仕事の思想」があります。
その中に、消費社会となった今日に物事などの吟味、工夫、分別など本質に迫る能力が失われている事に警鐘を鳴らしているのです。私も仕事の関わりでそんな事態を経験しているので、引用し読者にも一考していただければと思います。
第4章、手の記憶_経験を必要としない時代_の項にこう書かれていました。
「職人たちが作る丈夫で、長持ちし、使い勝手のいい品物を拒否し、工場から送り出される大量生産、大量消費の安価な品物を選んだ結果どうなったであろうか。
あれほどやかましく素材の出所を尋ね、手に取り吟味してきた人達が、素材を吟味しなくなった。知らぬ素材で作られた品物を受け入れてしまうようになったのである。物を大事に使うということもなくなった。手をかけ精魂を込めて職人が作ってくれたものを粗末に扱うことにためらいがあった。そして粗末に扱えば、せっかくの品々、道具が壊れてしまったり狂ってしまうのである。
修理をして道具を使うということがなくなった。・・・・・・・・・・・
・・・・・・中略・・・・・・壊れたら買い換える。古くなったら捨てる使い捨てが新しい常識になった。・・・・・・・・・中略・・・・・・世の中からそういう考えが消えてしまってから生まれてきた子供たちなのである。・・・・・・・中略・・・・・・・長い時間のものの見方ができないところに文化は生じない。国民に長い目でものを見、行く末の像を描く訓練がなくなると、そこから生まれた政治家や指導者もそうした資質は失っていく。この国は今その泥沼にはまりつつあるのではないだろうか。・・・・・・・・」
吟味、工夫、分別を思考力とすれば、安易さをよしとしたために生活の中でも、その能力を削がれてしまっているのではないでしょうか。

例をあげれば、ブランド基準で安易に購入する。テレビで紹介されれば、付和雷同してその品物に殺到する、お店も同様、など。
私の経験というのは、こういうことでした。
あるダイカスト製品ですが、外観検査で塗装を含め、その品質を決めていたのですが、それだと製法上、不良が多く出てしまうので、機能検査に変更して気密性で良否を行った方が無駄無く効率的、経済的なのです。取引先が納入している会社に提案したのですが、図面通りの内容でやって下さいと取り合わず、提案が通りませんでした。
その製品は、組み立てられて表に出ないものです。気密性さえしっかりしていれば目的に適うのですが。

こんな記述もありました。
「中には、学校の生活そのまま持ち込み、いい大人になっても『教わっていなかった』『いわれてなかった』『聞いていません』と答えて自己責任を逃れようとするものもいる」、こんな考えが逆に働き、「教わったから」、「いわれたから」、「聞いたから」と考えもせず行動する者たちが増えたのでしょう。思考停止状態そのままです。
「自分」というものがありません。
そんな気がしてなりません。
参考資料 「失われた手仕事の思想」 著者 塩野米松 出版社 草思社
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