発生原因が様々ありますので、当社技術資料よりご説明致します。
黄変
現象 白、淡色または透明塗膜が、人工光線または熱の作用によって黄変または褐色に変わること。
要因
・塗料のビヒクル成分による。
例えば、不飽和度の高い植物油、魚油、またフェノール樹脂などは黄変し易い。なおポリエステルポリオールと芳香イソシアネートの二液性ポリウレタン樹脂は水酸基を持つアクリル樹脂と脂肪酸イソシアネートの組合せの二液性ポリウレタン樹脂より黄変し易いなど同一ポリウレタン樹脂塗料の名称でいわれているも内容によって度合が相違する点は注意すべきである。
・顔料の種類
水分を多く含むものは黄変を促進する。白顔料の鉛白、亜鉛華、リトポンなどこの傾向が著しい。
もちろん良好なチタン白を用いても塩素系ビヒクルを用いたり、乾燥剤を過剰に用いたり、選定を誤ると黄変が生じ易い。
・本来の塗面発色でなく、淡黄色~褐色がかった変色をともなって仕上がる現象をいう。主な原因は本来の焼付硬化条件よりオーバーベーク(温度と時間の片方または両方)されたことによる。
塗料組成としてのビヒクル系が高度に酸化されることによって起るもので、例えばジアミン系硬化のエポキシ粉体塗料では焼黄変しやすいが、ポリエステル/エポキシタイプでは、しにくいなど、樹脂種や硬化機構によって異なる。
配合された顔料種によるが、耐熱性の低い有機顔料では焼変色を伴い易く、あわせて塗面の変色となりやすい。
この焼黄変により一部性能がダウンすることもあり注意を要する。いずれにせよ、焼付管理工程の問題であり、使用塗料条件との調整になる。「焼け」という表現でもいわれます。
・塗膜の色が黄味を帯びること。日光の直射高温または暗所・高湿の環境などにあるときに現れやすい。
<例> 魚油など不飽和の高い油を用いたワニスの塗膜は経時で黄変する。また乾性油を用いた白色塗料の塗膜は暗所に置くと黄変する。しかしこの塗膜は日光などの光線にさらすともとに戻る。
・展色剤の種類。例えば不飽和度の高い植物油・魚油を用いたり、クロマン樹脂・フェノール樹脂を用いたビヒクルはやけ易い。
・顔料の種類。例えば水分を含む顔料はやけを促進する。白顔料の中では、鉛白・亜鉛華・リトポン・チタン白がやけ易い。(油性ペイントを用いた場合)
ドライヤーを過剰に加ええた時も、やけが生じる。ドライヤーでは、特にマンガン系が悪い。
※ コメント
一時期、白色の塗装した車が流行りましたが、塗料の性能、塗装の技術向上などで黄変は見られなくなりました。
当社で過去に経験した黄変では、オーバーベークがありました。
技術資料
「塗装・塗膜クレーム 発生原因とその対策 総合技術資料集」 企画 塗装クレーム対策研究会 出版 経営開発センター出版部
はじめまして。
川口の中山と申します。
御社のたのしいHPを拝見させていただいて、ますます塗装が好きになりました。
最近、書架関係、店舗什器においても純白色が多くなっています。
貴重な技術情報については有難く参考にさせていただきます!
はじめまして。
中山さん。
コメント有難うございます。
>御社のたのしいHPを拝見させていただいて、ますます塗装が好きになりました。
この記述を読んで大変嬉しい思いです。
お役に立てば幸いです。
塗装関連のお仕事に従事されているのですか。
「カラー」にも流行りがあるようで。
当社、オヤジが創業して今年で52年目を迎えました。
会社が継続出来ているのも、品質、技術を高める必要に迫られそれに対応すべく、塗装技術の向上に努めた結果と思います。
その間に経験したこと、また勉強させて頂いたことなどを紹介しています。
今後も参考にして頂ければと思います。
ご返信ありがとうございます。
川口の塗装会社に勤めております。
ライン内のベンチミーティングにて社長さんの文献を参考にさせていただいております。
又、フジックスさんの会社の方向性にとても魅かれるものを感じております。
今後もよろしくお願いします。
中山
コメント有難うございます。
そうでしたか!
お役に立って良かったです。
このように塗装に関する情報を発信するようになった動機は、
塗装技術・作業のご理解に役に立てばとの思いからでした。
このような情報を発信できるのは、現場作業の経験、また塗装技術関連の文献などがあるので可能になりました。
現在、当社所属する組合の方針に沿ってVOC対策を更に強化し、職人にはスプレーガン操作において「作業性」「仕上がり」「塗着効率向上」に取り組ませています。
製品の付加価値を高めるためには塗装が不可欠です。
頑張ってください。
>フジックスさんの会社の方向性にとても魅かれるものを感じております。
そう思って頂けることは嬉しく思います。