デジタルマイクロスコープを活用
ダイカスト製品の焼付塗装を主に行っていますが、他の金属製品と異なり鋳肌に外観不良となる要因を抱えている場合が多々あります。
品質管理上、原因究明のために数年程前にデジタルマイクロスコープを導入。
200倍まで見ることが出来ます。
以前は、実体顕微鏡を使用していました。
毎月生産会議を実施
当社は毎月生産会議を行っております。
会議の中で、デジタルマイクロスコープで不良調査した内容を、周知させ品質向上を計っています。
品質管理事例1:ダイカストのピンホールによる不良事例
今回は、あるインキメーカーから依頼された塗装が塗料、溶剤(ソルベント)、うすめ液(シンナー)、塗装技術、被塗物との関わりが如実に出たケースなのでケーススタディーとして取り上げました。
事例内容
- 塗料:クリアーA,B二通りのものを使用して塗装
- 焼付温度:150℃×20分
- 現象:塗膜にハジキが出る
- 被塗物:化成処理(リン酸亜鉛皮膜)の鉄板
この原因調査経緯の報告を会議で発表。
写真1 | 写真2 |
調査結果
- 写真2の左側、塗料に問題はないかとブリキ板に塗装したが、ハジキ無し。
- 右側が、ハジキが出たテストピース。
- 濡れ性(レベリング)の違いもあるのではと、蒸発速度の遅いタイプ、早いタイプの両方で試した結果、遅い方がハジキの出か方は少ないが、無くならない。
これから判断して、塗料の問題でなく、被塗物の表面の皮膜が悪さをしているのではないかと思われる。
写真3 ダイカストのピンホールによる不良事例 |
写真4 写真3を200倍に拡大した写真 |
写真5 塗膜を削り、200倍に拡大した写真 |
金属焼付塗装のご理解を深めてもらえるのではと、HPで順次ご紹介していく予定です。