<メタリックムラ>
現象は、
メタリック塗料(主としてアルミニウム含有塗料)を塗った時、金属粉が均一に配列されず、流れ模様のまだらな外観を示すことである。
それを防止するには、
塗料に内容による;シンナーの成分の蒸発速度が一般に遅いとムラを生じ易い。溶剤乾燥形は自己反応型よりもムラが生じにくい。自己反応形塗料でも、助剤、溶剤考慮でムラが生じにくいものも多い。
塗装技術のよる点;メタリックムラは塗装技術の未熟によることが多い。例えば、一度に多く塗らない。一般塗料に比べ、エア圧を高く、また流量を少なくしそしてスプレーガンの運行速度を早くすると良い。スプレーガンと被塗面との距離をやや離した方が良い。
<花咲>
上塗り用のメタリック塗料を静電塗装する時、たまに花咲現象が発生することがある。このフラワースポットは小さい星状のもので、大きさは直径2mm前後ぐらいで拡大すると下図のような形をしている。アルミニウム顔料が塗膜中で4~5本の一つが中心に向かって筋状に連なった花びら模様をつくっているもののことである。これが現れるのは2コート2ベーク、とか3コート3ベークのような場合で、いわゆるウエットオンウエット塗装では起こりにくい現象である。
そのメカニズムについては種々の意見が出ておりいずれが最も妥当か調査中であるが、塗膜が乾燥しかけた時に塗膜のピンホールなどの欠陥部中心にアルミニウム顔料がライン状につながり、花模様を形づくる下図に推定図を示す。防止対策としては使用している希釈塗料中のシンナーを若干電気抵抗の低いものに置き換えていくとよい。
例えば2MΩの塗料で花咲がでたものをメチルイソプチルケトンをふやしたシンナーで0.5MΩにした結果解決した例がある。
当社メタリック塗装の場合、空気孔の多いスプレーガンを使用する場合があります。
また、シンナーの蒸発速度が適性でないと、メタリックの流れ(亀の子)、ムラが出やすいし、吐出量を抑えてストーロークを増やして対応するケースもあります。
参考資料 塗装・塗膜 クレーム発生原因とその対策・総合技術資料集
現象の原因に対して静電用シンナーの抵抗を変えることで解決を図れるとは意外でした。参考にさせていただきます
コメント有難うございます。
解決策にお役にたてば幸いです。
塗装技術は奥が深く、当社も先人、先輩達の知恵を借りながら作業にあたっています。当社の課題「技能継承」をもかねて掲載していますが、このような機会があることは嬉しく思います。