金属焼付塗装とは?(長持ち&ピカピカの秘訣)
焼付塗装とは、金属のパーツに塗料を吹き付けた後、高温で焼き固める特殊な塗装方法です。
熱でギュッと硬化させることで、塗料が金属と強力に一体化します。
そのため、一般的な塗装よりも格段に剥がれにくく、色あせにくいのが最大の特長です。雨風や紫外線に強く、美しい仕上がりが長く続くため、自動車部品や建築資材など、耐久性が求められる製品によく使われています。
「長く、キレイに使いたい」というお客様の願いを叶える、プロの技術です。
塗装目的と効果
有限会社フジックスが提供する「金属焼付塗装」は、単に色を塗る作業ではありません。
お客様の大切な金属製品に、優れた耐久性と高付加価値な機能、そして美しいデザインを付与するための、ハイグレードな表面処理技術です。
この技術は、主に以下の3つの大きな目的を達成し、製品の寿命と価値を飛躍的に向上させます。
- 被塗物の保護(機能性・耐久性)
焼付塗装の最大の目的は、金属の弱点を補い、製品を様々な劣化要因から強力に保護することです。 - 美観の付与(意匠性)
製品の「顔」となる色や質感を作り出し、企業やブランドのイメージを形作る重要な役割を果たします。 - 特殊機能性の付与(高付加価値)
過酷な使用条件や特殊な要求に応えるため、一般的な塗装では実現できない特別な性能を金属表面に加えます。
塗料の構成と分類
さて、ここまで金属焼付塗装が製品に与える「保護性」「美観性」「特殊機能性」についてご理解いただけたかと思います。
この高い効果を実現する鍵こそが、塗装の鍵となる塗料の存在です。
弊社では、お客様のご要望と被塗物(金属部品)の使用環境を詳細にヒアリングした上で、最適な塗料を厳選しています。
塗料の構成
塗料は以下から構成されています。
- 主要樹脂
塗料塗膜の基本的性能を左右する最も重要なもので、合成樹脂、天然樹脂、油脂類がある。 - 助剤
塗料塗膜の諸性質向上のため添加するもので、可塑剤、硬化剤、顔料分散剤、増粘剤、紫外線吸収剤などがある。 - 溶剤/シンナー
ほとんどが数種の混合溶剤であり、溶解力、蒸発速度を調整する。作業性、乾燥時間、塗面状態、塗膜物性に影響を与えるため軽視できない。
塗料の分類
塗料は、その要素や用途、塗装法などで分類できます。
| 塗膜主要樹脂別分類 | 油性ペイント、ラッカー、アクリル、ウレタン、エポキシ、シリコン、フッ素、他 |
|---|---|
| 用途別分類 | 建築塗料、木工塗料、トラフィックペイント、耐薬品性塗料、皮革塗料、他 |
| 塗装法別分類 | 刷毛塗り塗料、吹き付け塗料、電着塗料、粉体塗料、他 |
| 乾燥硬化別分類 | 自然乾燥塗料、焼付塗料、2液型塗料、UV塗料、EBC塗料、漆、他 |
上記分類法のほかに形態別分類等もあり、水性塗料、エマルション塗料、NAD塗料、粉体塗料、溶剤/無溶剤塗料、ハイソリッド塗料、多液型塗料などがこれに該当する。
塗装方法と塗装機器
塗料の種類と構成についてご理解いただけたところで、次に重要となるのが、その選ばれた塗料を金属表面にいかに正確に、そして均一に付着させるかという「実行」の段階です。
弊社では、お客様の製品の形状、素材、ロット数、そして求める品質に応じて、最適な塗布技術と機器を使い分けています。
以下に、仕上がり品質を決定づける「主な塗装方法」と、作業効率・精度を支える「塗装機器」を示します。
| 塗り広げる | 刷毛、ローラー、ロールコーター |
|---|---|
| 霧化して塗布する | エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装、スピンドル塗装 |
| 浸漬する | ディッピング、電着塗装 |
| その他 | カーテンフローコーター、粉体塗装、マーキングフィルム |
塗料・塗膜の試験方法
これまで、高性能な塗料の選び方、そしてそれを正確に塗布する技術についてご説明してきました。
弊社の金属焼付塗装が、お客様の要求を満たしていることを確認するために、「試験(テスト)」が不可欠です。
有限会社フジックスでは、お客様に信頼性の高い品質を提供するために、以下の「塗料・塗膜の試験」を実施しています。
| 塗料の物理性状試験 | 溶解性、透明性、粘度、比重、密度、作業性、乾燥時間、貯蔵安定性 |
|---|---|
| 光学的性質試験 | 測色、隠蔽力、光沢、鮮映性 |
| 塗膜の機械的性質試験 | 付着性、硬度、耐摩耗性、たわみ性、耐衝撃性、不粘着性、耐屈曲性 |
| 塗膜の長期性能試験 | 耐熱性、耐候性、防食性、科学的性質 |
| 塗料の成分試験 | 加熱残分、ピグメント/バインダー比、各種機器分析 |
| 塗料・塗膜の欠陥試験 | 皮張り、たれ、色むら、ゆず肌、ふくれ、ゲル化、へこみ、ピンホール、白亜化、他 |
対応可能素材:幅広い金属への確かな焼付塗装技術
有限会社フジックスでは、長年の実績と高度な表面処理技術により、多岐にわたる金属素材への焼付塗装に対応しております。
弊社で扱う主な金属材料と塗装のポイント
弊社では、以下の金属の取り扱いが可能です。
- ダイカスト材(アルミダイカスト、亜鉛ダイカスト、マグネダイカスト)
複雑な形状のダイカスト製品に対し、ピンホールやガスによる膨れを防ぐための丁寧な前処理と、最適な焼付温度管理を徹底しています。 - アルミ材(アルミ押し出し材、ジュラルミン)
軽量で強度が必要な部品に対応。特にジュラルミンなど高強度材には、素材を傷めずに密着性を高める専門技術を適用します。 - 鋼板・ステンレス(鋼板類(SPCC、SECC)、ステンレス(SUS304, SUS03他))
SPCCなどの鉄鋼には高い防錆力が、ステンレスには意匠性の向上が主な目的となります。素材の特性を活かしつつ、要求される機能性・耐久性を付与します。
品質を支える化成皮膜処理(下地処理)
最高の塗膜性能を引き出すため、当社では以下の化成皮膜処理(下地処理)を素材に応じて使い分けています。
- アルミダイカスト、亜鉛ダイカスト、アルミ押し出し材、ジュラルミン
環境負荷の低いノンクロム系の薬品を中心に採用し、高い防錆効果と密着性を両立させています。特にアルミ系素材に最適です。 - SPCC(一般鋼板)
鉄鋼材料のサビ止めとして最も信頼性が高い処理です。緻密な皮膜が強力な「防錆層」を形成し、耐久性が要求される部品に欠かせません。
金属焼付塗装に関するご相談は有限会社フジックスへ!
私たち有限会社フジックスは、当社は埼玉にありますが、日本全国の塗装でお困りのお客様にご依頼いただいております。
まずは、試作品のご依頼、塗装品質・実績へのご質問等、お電話にてお気軽にご相談下さい。
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