※上記の写真(お客さんの提供)はトーレンスのシャーシを組み立てたもの。
全艶黒の注文があり、その要請に応えるべく、漆塗りのような風合いを出すために工程のおさらいを職人にさせてみました。
当社には創業当初から勤務し50年以上のキャリアを持つ職人がいるので技能継承をもかねて
。
当社創業、光学機械、カメラ、双眼鏡を主に塗装しており、創業者が戦前から塗装経験があったから。
当時、鏡体という双眼鏡のボディーは材質は鋳物で工程はパテ、水研ぎ、下塗り、上塗り、下カバー、上カバー(鏡体に付けるもの)は、下塗り、水研ぎ、上塗りの工程を踏んでいました。
光学機械と言うこともあり高級感を求められてその仕様になったのでしょう。
確かに肉持ち感、しっとりとした風合いが出ていました。
塗料はミリオンペイント社製、メラミン樹脂、黒半艶を使用していました。
今回は、それを上回る高級感を出すための予行です。
そんな最中、香港にある音響メーカーからネットを通じて同じようにスピーカーボックス塗装の依頼を受けたのですが、
重量が70㌔もあり、トロリーコンベアー型乾燥炉では扱えないのでお断りして、知り合いのボデイーショップを紹介しました。
古い職人の指導の下、
今回依頼のあったダイカスト製、トーレンスのシャーシ、同じ材質のテストピースで試作塗装。
検証項目
1 スプレーガンの諸条件の適性を観る
霧化圧、吐出量、ガン口径などを試す。
2 塗装工程は、下塗り、水研ぎ、中塗り、水研ぎ、上塗り(フィニッシュ)
この写真は中塗りまで行ったもの。
試作として、アルミダイカスト品に全艶黒を塗装した物が次の写真。
工程は、下塗り、水研ぎ、上塗りの3工程で塗装、これでもしっとりとした風合い、肉持ち感が出て高級感がありました。
写真撮影は鏡みたいなので反映してしまう。
綺麗に撮るのは難しい!
鏡面になるので、素材の凸凹感が出やすく、素地調整、パテなどを施す必要があるようです。
また、塗装でもレべリング(濡れ性)に気を付ける事でゆず肌を避けないと、透かして見ると視認されるようだ。
実際に車の全艶黒塗装で実際の例を観ることができた。
それは川越第二工場の側にあるボディーショップで確認済み、そこには知り合いもおりこの全艶黒塗装の相談相手にもなって貰った。
いつも高級車が修理のため置かれているので見学に行くと参考になる。
今日は、アウデイ黒メタリック艶有塗装された4200CCの車を目にした。
塗装は様々の分野に必要とされ、塗装の方法は多岐に渡り、
若手職人には良い経験となるでしょう。
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